Jun潤

湯道のJun潤のレビュー・感想・評価

湯道(2023年製作の映画)
3.1
2023.03.23

『マスカレード・ホテル』『HERO』鈴木雅之監督×『おくりびと』小山薫堂企画・脚本×生田斗真主演。
フジテレビ製作幹事の匂いがプンプンする、豪華キャストを揃えたハイテンション系邦画。
映画には劣りますが温泉、スーパー銭湯、昔ながらの銭湯が好きな僕的にも、作品としてはもちろんのこと、自分の入浴に対するこだわりと照らし合わせながら楽しめることも期待できそうです。

田舎の下町に今も残る銭湯「まるきん温泉」。
先代が亡くなり息子の悟朗とバイトのいづみで切り盛りしている中、東京で建築家をしていた長男の史朗が、まるきん温泉をマンションに建て替えるべく戻ってくる。
お互いの想いから反発する2人だが、まるきん温泉には日々常連客や珍客が訪れるのだった。

鑑賞後に調べてみると、「湯道」というのは実際にある文化、どころか脚本の小山薫堂自ら提唱し家元も勤めているというもの。
どうりで(?)、入浴あるあるというよりは、誰か特定の人の入浴に対するこだわりみたいなのが強めに出ていたかなという印象です。

豪華キャストを無駄遣いしてる感じは、悪い方のフジテレビだな〜って感じでしたね。
ミステリーとかだと考察しやすかったり、キャラの印象が残りやすかったりもしますが、今作だとその恩恵が「お風呂が繋げる人の縁」というメッセージのみだったかな、、。

あとは作品としての軸がブレブレというか、乱立していてどれか一つに絞れなかったものかと。
銭湯嫌いの長男と今まで切り盛りしてきた次男による再建、下町の銭湯を中心にした群像劇、あたりに特にフィーチャーしてるのが伝わってきたらもっと楽しめたかもしれません。
他にも、誇張ありきだとは思いますが、湯道の家元や門下生たちのシュールな様子や、小日向文世が演じていた、仕事一筋だったおじさんの大好きなお風呂に対する想いや、お風呂版『孤独のグルメ』的なのでも良いなと思ったので、本当にそこが惜しかった。

キャラと演技はどちらも橋本環奈ですかね。
いづみちゃんが日々の業務でしていた細かいことが終盤に活きていましたし、特徴的な行動をしていなくても、真っ直ぐなお風呂好きの気持ちが伝わってくるのは橋本環奈の演技と顔面のおかげでしょうか。
一緒に入る?なんて言われたら生田斗真も濱田岳もそりゃあんな顔になりますって。
Jun潤

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