思っていた以上に重い内容で、受け止めきれなかった気がする···。紛争をくぐり抜けて英語を学び、次は日本語を楽しそうに口にしていたナディアの笑顔が守られなかったなんて、なんて無慈悲なんだろう。
陶器職人として働く誠治が偶然出会い助けたのは、在日ブラジル人のマルコス。在日外国人の数が増えてきたとはいえ、誠治程の密接な関り合いはないし、半グレ集団がウロウロしているような治安の悪さも周囲にないけれど、この映画が実際に起きた事件などをヒントに作られていることを思うと、私に見えていない部分の日本についてを、何か考えさせられたなと思う。
誠治と榎本、共に理不尽な目に遭ったふたり。でも、その気持ちのやり場、持っていき方は違ったふたり。ポロッと溢された誠治の過去に、きっと誠治は行動するだろうなとは思いつつ、そこはやっぱり警察がなぁとは思った。刑事の駒田も頭を抱えてはいたけれど。
個人が抱える問題から国家が直面する問題まで、色々な問題がぎゅぎゅっと詰め込まれていて、ろくにあらすじも知らなかったお陰で、結構体力を使った映画だった。
#8_2023
