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メトロポリスのmochiのレビュー・感想・評価

メトロポリス(2001年製作の映画)
3.6
アニメ映画の気分だったので、鑑賞。手塚治虫の原作は読んだことがないが、読みたくなった。話のスケールがとても大きいので、1時間40分程度では、話のスケールには見合わない感じがあったが、原作漫画だとそこら辺はどうなのだろうかと気になった。
映像はなかなか面白いところも多く、機械のCGでの表現は悪くなかった。一方で、ヒゲオヤジやランプ、ロックなどのキャラは手塚治虫の絵そのままという感じなので、全体通してミスマッチ感がすごかった。そこも含めて楽しむものかもしれないが、あえて手塚治虫の絵に寄せて、未来を描くという手法でも面白いかもしれないと思った。
キャラクターの描写は全体通して浅く感じた。レッド公とロックは重要なキャラクターだが、彼らの行動理念や、主義主張をもっと知りたくなった。特に、レッド公のロボットに対するアンビバレントな感情はなんなのか、ロックのレッド公に対する狂信的な父性は、何に由来するのか。こうしたことをもっと掘り下げてほしかった。独裁制や科学の力、公然の秘密や階級社会など、現在でも通用するテーマが散りばめられている点は良いのだが、その結果焦点がボケてしまい、キャラクターの造り込みおよび描写に、深みが足りていない気がした。最後のラジオのシーンでの、ティマのキリスト的描写もなんだかなぁという感じ。ケンイチも超人的な身体能力すぎてなぁ。
ただティマが落ちていくシーンはとても良かったし、ティマが椅子に座る時の背景も素晴らしかった。ロックによるジグラットの破壊のシーンの音楽のチョイス、良い(が、少しエヴァっぽい)
見事と感じたところ、イマイチと感じたところのそれぞれが、原作由来なのかどうか知りたくなった。
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