人は最初に触れたガンダムのことを親だと思ってついて行くということは、よく知られた真実である。しかし長い年月が経って成人する頃にもなると、親のおや?と思う部分も見えてきてしまう。結論から言おう、親に久々に会った喜びと、なんだこれはという思いで情緒が行方不明である。紛れもないファンムービーで、一見様の反応を推し量ることすらできない。楽屋ネタとあるあるネタを詰め込み、新しいことにも挑戦しているのかすらも判別がつかない。もはやギャグでやっているとしか思えないシーンも至る所にある。なんだこれは。だが涙している自分もいる。なんだこれは。モビルスーツがカッコいいからいいじゃないかということにはならない。あのデスティニーの雪辱を果たしたとも言えるが、あまりにも待ってましたが多い。ふざけているのか、感動させにかかっているのか。20年という歳月はこうも人を狂わせる。だが間違いなくそこには、機動戦士ガンダムSEEDがいた。
