ユーライ

機動戦士ガンダムSEED FREEDOMのユーライのレビュー・感想・評価

機動戦士ガンダムSEED FREEDOM(2024年製作の映画)
4.8
もっとマジメにやれ。二十年の時を経て最早取り繕う必要はないとばかりに、エログロキッチュでB級全開。昔はもっと硬派だったと思うんだけど、間に『クロスアンジュ』を挟むことで疑問は解消される。下世話なNTRで展開される謎空間&SE、時勢を鑑みて不謹慎と言わざるを得ない大量のグロ死、スーパーロボットに両足突っ込んでる大盤振る舞いのMS戦。客の求めるオーダーを的確に捉え、徹底した見世物娯楽を厭わない職人監督・福田己津央の作家性が確かに刻印されている。油ギトギトで垢抜けず、お世辞にも今風の気の利いた映画では全然無いが、安くて構わねぇんだと聞く耳持たずに突っ走る。お上品に社会派やってどっかと構える手合いには辿り着けないB級の意地。俺には監督が恰幅の良さも含めて気前のいいラーメン屋の店長に見えてきた。舞台挨拶で上坂すみれと並んでる光景はほんとそんな感じだったぜ。ラストのパイスー脱いでブッチューとかどう見てもアホ丸出しなんだけど、普通に感動させられるんだもんなぁ……。これって結構凄いことですよ。「ファン感謝祭が勢い余って新春スターかくし芸大会化する」枠(『FINAL WARS』『Over Quartzer』『グリッドマン ユニバース』)としても、適度に悪ノリしながら見事に着地させた成功例と言ってもいいのではないかと思います。
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