まりぃくりすてぃ

の方へ、流れるのまりぃくりすてぃのレビュー・感想・評価

の方へ、流れる(2021年製作の映画)
2.1
最初の10分間ぐらいは面白かった。愛され袖…ってほどじゃないけど、ふふふ、手からね。
撮影照明担当者の貢献大。町の美しさ・主演女優のほんの少しの魅力があり、最後まで画は高所安定。

脚本と演出は失敗。

❶ 棒読みメソッド邦画撲滅委員会(唯一のソレデイイ・ソレガイイ作『ゴンドラ』を除く)を本日結成いたしました🗡😡

❷ 恋愛だけが主題、という恋愛に依存しすぎた品物はオワコンですよ。恋愛に他素材を組み合わせてポップにするか、または命かかってるレベルのガチ純愛(無私を当然たっぷり含む)で私たちの魂を揺さぶって批判を封じるか、最低限どっちかはないと、観る価値は生じにくい。これがモダンアート&エンタメコンテンツの基礎ルール。

❸ プルーストの『失われた時を求めて』なんだけど…
「私、大学時代に原書で読んだよ」というセリフを書いた人、正気?
完璧バイリンガルの場合じゃなければ、ありえなさすぎて、脚本は本来そこでフリーズしますよね?
それはまるで小学生が9月1日に「夏休みにエベレスト独りで登頂したよ」とクラスメートに告げるのと同レベル。「えーっ、嘘でしょ??」のリアクションも受けず、その後も「あの山はね、…」「僕があの山に登ったのはね、…」とか奇妙な代名詞で話題にし続け、周りは大人しく頷き続ける、、って、ありえないでしょ!
この映画の主役の女も、「あの小説は、…」「あの小説を読んだのは、…」と淡々と奇妙な代名詞で男に語り続ける。そのくせ、プルーストがストーリーに何か影響与えてるかっていえば、一言「でじゃびゅ」が出てくるだけ。小学生が「しぇるぱ」と一度だけ言うのと同じだよ。
百歩譲って、竹馬監督がプルーストを本当に読みこなしてきたストロングな教養人なのだとしても、そのセリフ言う唐田さんは、今回プルーストのその全七冊を読んで撮影に臨んだわけがない。…ムリな注文つけていい? 彼女は読み切って、すっごいキメ顔でクランクイン迎えてほしかった。何の意味もなくったって、そういうことにバカみたいに死力を尽くして“役作り”しちゃうのが、本当の生き直しでしょ?
たぶん、スワン家のところを彼女は70ページぐらいは読み始めてみて、普通に「ムリ! なっげ〜よ😭」と本をダスト箱シュートしたんだろうね。
悪役として面白い吹っ切れ方で、観客を世間に見立ててスクリーン内から私たちを威嚇し続けたことには、私はあまり関心なかった。それよりも、監督がマドレーヌもなしにプルーストを鍵にしようとした小手先感が、悔しい。
仮に「大学時代に訳文のを全巻読んだよ」と言ったとしても、私たちはそんなヤバい子とは友達になりたくない。プルーストとはそういうものです!

❹ そうして男女二人が転がした恋バナと執着が、具体的な身の上話でなく、為になる観念論でもなく、得体の知れない非生産的な雑念のようなものだった。しかも、(主に女の側からの)つっかかりに終始。(男優を粗末にした。)

まるでね、負けサッカーみたいな映画だった。私には。調子の良い時の濱口竜介にジャイキリしようとして、無意味な横パスやバックパスやファウルで自壊した感じ。
数少ないセットプレー的にようやく後半で目を瞠らせたのは、本人たちが「キスシーン」と称するキス的シーン。だが、得点ならず😂😂😂。映画として世界標準に遥か及ばずに、弱いんだよ。。
あざとさなしに“全力で走って蹴り込んで負けた”んなら文句つけないけど、期待させといて変な小手先(小足先)プレーいっぱいしてくれちゃって、イライラしたよ。
“芝とか周囲の眺めとかユニフォームとか選手の顔とかコーチ陣とか”は、よかった。それだけに、監督さんのやり方がね。。
おしまいに演者四人が何かやってたのは、“負け確定試合のロスタイムのスローイン魅せ”みたいだった。。。。。

次は、どうか勝ってね😌


※当レビューはフィクションであり、実在するスポーツ大会や国家代表チーム等とは一切関係ありません