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フェイブルマンズのcanaのレビュー・感想・評価

フェイブルマンズ(2022年製作の映画)
4.3
スピルバーグの自伝的映画。
わりとフラットな気持ちで観に行ったつもりだったけど、すごい良かった…
シンプルにめっちゃ好きなタイプの作品でした。

幼少期からいろんなスピルバーグ作品を観てきたけど、彼自身についてはほぼ何も知らなかったので、家族の話やいじめの話は意外だった。
少しつらい場面もあったけど、一面だけの善悪を描かないというところが好き。
それにしても昔から才能があったんだな…

子どもを愛する母親であり、自分の好きなものを諦められない女性でもあるミッツィをミシェル・ウィリアムズがとても可愛らしく、でもリアルに演じていて印象に残りました。
ポール・ダノのパパがまた良い表情。。

家族のシーンが多かったけど、個人的にはプロムの後のシーンが一番好きだった。
スピルバーグの作風が強く出ている部分だったと思う。
真実とは違う、だけど意図して敢えて嘘をつくこと=演出で生まれる何かがある。
しんどい現実を映画の力が上回った瞬間を目撃した気持ちになりました。
なんか『5分だけでも、、』のセリフで号泣してしまった。。

ラストの大物登場からの少し遊んだ感じのカメラワークの演出も好きだった笑
せっかくアドバイス受けたからね!笑

ジョン・ウィリアムズの音楽がまた良かった…。
ずっと並走してきた彼だからこそあんなに美しいメロディーが作れたんだろうなぁ。

映画が純粋に好きって気持ちを思い出させてくれる素敵な映画でした。
物事にはすべて意味があるって言葉、この作品においては説得力がありすぎる。
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