cana

落下の解剖学のcanaのネタバレレビュー・内容・結末

落下の解剖学(2023年製作の映画)
3.7

このレビューはネタバレを含みます

また久々の映画になってしまったー
再来週のアカデミー賞授賞式鑑賞に向けてこちらを。

雪山の一軒家で不審な転落死をした夫。
殺人の疑いをかけられる小説家の妻。
第一発見者は視覚障害がある息子と愛犬。

法廷での検事の質問の仕方が印象操作だったり誘導尋問が多くて、聞いていて結構イライラしてしまった…
「証拠はなくても可能性はありますよね?」
って、なんて都合がいい言い回しなんだ…
そこからの
「それならスティーブン・キングは連続殺人犯になりますね」
「でももし彼の妻が不審死を遂げたらどう思う?」
のやりとりはどっちもうまくておもしろかった!

結構『それでも僕はやってない』を思い出しました。あれの方が胸糞多かったから本作は耐えられたけど…。
そして『アンナチュラル』だったらきっとUDIラボでそこまで解明してくれるのに!とも思ってしまった笑

盲信・感情論気味な精神科医や編集者?に対して、最初の証言だった女性がネチネチした質問に対してはっきりNOとかマドモワゼルと呼ばないでくださいと言っていたのがかっこよかったです。

観客である私たちは、法廷以外の妻の目線のシーンを多く観ているから「彼女はおそらく無実なんだろう」ということは感じ取れるけど、それさえもこの映画の演出次第では変わっていたかもしれない。
実際頭のどこかで、ラストで妻がブラックな顔を見せないだろうかとちょっとドキドキしていたし、これがまさに「事実はどうでもいい」「その方がおもしろい」ってことなんだろうな…
そんな誰かの主観でどんどん別の真実に移り変わっていく状況下で、混乱するダニエルに自分で判断を下すように促した保護士も素晴らしいと思いました。

裁判の結果が出ても結局真実が明かされるわけではないので、なんだかモヤモヤが残るのですが、最後はすべて愛犬のスヌープに救われた…!!
添い寝してくれるのかわいいよおお🐕
アカデミー賞最優秀ドッグ賞があったら彼のものです。

真実は一つ…ではあるんだろうけど、そこに証拠がないのであれば、真実は各々の勝手な印象と憶測で決まるのかもしれない。
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