Takumi

フェイブルマンズのTakumiのレビュー・感想・評価

フェイブルマンズ(2022年製作の映画)
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映画館で見た初のスピルバーグ映画。夢を追いかける人に、どんな言葉をかけてくれるか気になり鑑賞。

映画に魅了されたサミー・フェイブルマン少年の、夢と成長と家族について描いた話。
すごいと思ったのは、76歳のスピルバーグがとても瑞々しく若者を描けるということ。ウエストサイドストーリー時もそうだが、若者の感覚を描くのは、歳が離れていくほど難しいと思うし、間違えば批判も伴う。そこに恐れないところがすごい。

また、今作は「映画は映像で語るものだ」ということを改めて感じさせてくれる。

サミー少年が、自ら撮影したフィルムに映る、驚くべき家族の秘密を知ってしまうシーン。台詞がほとんど無く、サミーの表情、音楽、光と影の付け方だけで、少年の絶望が表現されている。映画は言葉ではなく、どうすればいい映像を作れるか、それが勝負だと今作は教えてくれる。 

「映画の地平線は上・真ん中・下、どこにあるのが面白いか」これは、映画の話だけではなく、夢を追う人がどういう心構えで生きていくべきか、それを語ってくれている気がする。
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