Takumi

Summer of 85のTakumiのレビュー・感想・評価

Summer of 85(2020年製作の映画)
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赤い服、青い空、黄色のタイトル。メインビジュアルが美しく、久々にジャケ買いならぬ「ジャケ見」した。

少年たちの淡い6週間の恋を描いたフランス映画。瑞々しい演技と、暖かい風を感じられる映像もあって、全体の雰囲気はとにかく爽やか。だが、辛い現実は突然襲いかかる。

主人公の少年がとにかく可哀想。理不尽に恋人に捨てられた挙句、巨大な罪と罰を背負わされることになる。なんで自分だけこんな目に遭わなあかんねん、自分が少年なら絶対そう思うだろうが、どんな不幸を前にしても、誰かを愛する気持ちには勝てない、そう言われている気がする。

少年は自分を責め、どんどん心を閉ざしていくが、愛する人と交わした「ある約束」を果たし、辛い現実に決着をつけていく。

この映画では愛と命の儚さ、そして過去を捨てて前に進む大切さが描かれている。失った時間に固執するのではなく、思い切って捨てることも大事なのだと思った。
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