ほーりー

リオ・ブラボーのほーりーのレビュー・感想・評価

リオ・ブラボー(1959年製作の映画)
3.6
フェフェフェフェ……

これが余裕というものか。ラストのウォルター・ブレナンの笑い声にそんな言葉が頭に浮かんだ。

本来なら市民を守るべき立場である保安官が市民に助けを求めた「真昼の決闘」に憤慨したジョン・ウェインとハワード・ホークスが作ったのが「リオ・ブラボー」。

町を牛耳っている男の弟を殺人罪で逮捕した保安官ジョン・ウェインだったが、裁判所への身柄引き渡しまでの間、容疑者を留置場に拘留していたところ様々な妨害を受ける。

ついに護衛の協力を申し出た友人ウォード・ボンドが殺されてしまう。

ウェインは失恋の痛手でアルコール依存症になった保安官助手のディーン・マーティンと足の不自由な老牢屋番のウォルター・ブレナンと共にならず者たちと立ち向かう。

本作は最後まで防戦一方の珍しい作品である。そのせいか全体的にゆったりとして泰然自若とした雰囲気が感じられる。

その辺りはホークス監督の次回作にあたる「ハタリ!」にもよく似てるように感じた。

まず冒頭の5分間。この事件の発端の部分を全く台詞なしで描いているのも凄い。

またディーン・マーティンの起用もよい。後輩歌手のリッキー・ネルソンと「ライフルと愛馬」を歌うシーンも良いが、やっぱりお酒片手に歌うイメージの強いマーティンにとってこれ程の適役はないと思う。

この映画以前から酒飲みのイメージ(実際はそんなに強くないそうな)が着いていたのかしら、それともこの映画の成功でそんなイメージが定着したのかしら。

曰く付きの女賭博師を演じたアンジー・ディキンソンも印象的。

ただこのストーリーだけで2時間20分の尺はちょっと長いとも感じた。

悪役もジョン・ラッセルとクロード・エイキンスとあんまり強そう&憎たらしくないので印象が弱い。やっぱりリー・マーヴィンやダン・デュリエぐらい強烈さが欲しい。

という訳で、私はどちらかというと「真昼の決闘」の方が好きなのです。

■映画 DATA==========================
監督:ハワード・ホークス
脚本:ジュールス・ファースマン/リイ・ブラケット
製作:ハワード・ホークス
音楽:ディミトリ・ティオムキン
撮影:ラッセル・ハーラン
公開:1959年3月18日(米)/1959年4月22日(日)
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