イベリー子豚

エリザベート 1878のイベリー子豚のレビュー・感想・評価

エリザベート 1878(2022年製作の映画)
3.4
「謎の演出と退屈なエピソードと
一切、魅力を感じないキャラクターたちに彩られた
近代世界史予習必須な
『さよなら絶望皇后陛下』」





なんやねんコレ。


てっきり
「早めの更年期と冷えきった夫婦関係により
躁鬱スーパー無敵状態になった【エリザベート】が
国家存亡の危機にコルセットをバチーーン!!と
弾き飛ばしながら覚醒し
臣下や国王、西欧・東欧諸国に対し
無双しまくる痛快宮廷物語」だとばかり……!!!



おまはん、コレ、
「メンヘラ中年女性の欲求不満と自己肯定感低めの
毎日をとりとめもなくダラダラと収めた
余白多めのアメブロ映画」やないか!!!



また騙されたわ。
予告編詐欺。


こんなんもう、
『トゥルー・ヒストリー・オブ・ザ・ケリー・ギャング』の再来ですやん。


物語は起承転結が終了してるし
登場人物は全員、好感度低いし
ファッションはたまに乃木坂カラーだから文句は
言いたくないけど
そもそも【ヴィッキー・クリープス】に
ビジュアルを期待出来ないというか……。


本当、この映画は何がしたいの??


オマケに宮殿は謎に
「コンクリート打ちっぱなし」だったり
「天井が『マルコヴィッチの穴』」だったり
「ボルゾイ」が「ダルメシアン」だったり
「デッキはタイタニック号よりも新しい」し……


どういう演出なの??
何かのメタファーとか??
現代のエッセンスを入れる遊び心??


さらには
渾身の「中指突き立て&アッカンベー」なんて
完全スルーされてるやん。


ラストシーンもなんだかなぁ。

え、「飛び立つ」ってそういう話なの??


とにもかくにも
114分ほぼ、ずっとスベってたなぁ。


もはや
「ハプスブルク家」ガチ勢でもなきゃ
この映画の魅力は分かんないんじゃない??



《陛下、40歳は……
月並みな女性市民の平均寿命ですぞ》