針

梟ーフクロウーの針のレビュー・感想・評価

梟ーフクロウー(2022年製作の映画)
3.8
17世紀の李氏朝鮮王朝における陰謀事件を、それに巻き込まれた鍼灸医の視点から描いたサスペンス。盲目の鍼灸医が事件唯一の“目撃者”になるというお話。

朝鮮半島に大きな影響力を持っていた中国の王朝が明から清へと替わったことをきっかけに、今後の朝鮮の身の振り方について様々な考え方が生じ、それが宮廷内の火種になっていくという感じ。
テーマ的には主人公の「弱さ」がポイントになっていました。

まぁ誰もが『ラストエンペラー』をやるわけにはいかないので、王朝ものといっても画面の迫力はわりと小ぢんまりはしてる。あとは正直、構成次第でもうちょいサスペンスを高められそうな気もする。
ただ自分的には最後の3分の1の展開が面白くて、わるくはないかなーと。
それとおそらく史実を元にしてるがゆえの創作を超えた過酷さがあって、そこがすごく好きでした。こういう終わり方なのね……

あとは題名通り夜の闇をメインに据えた映画なので、劇場のほうが映えるというのも確かだと思う。

それとは別に、中国と朝鮮の歴史はおもしろそうなので最低限は知っときたいなーと思ってはや幾歳月……どっかで腰を上げないと死ぬまで勉強しなさそうです……
針