針

名探偵コナン 100万ドルの五稜星(みちしるべ)の針のレビュー・感想・評価

4.1
劇場版第27作。今年も一応観てきました。結論から言うとなんだかんだでめっちゃ楽しかったです!

舞台は北海道の函館。戊辰戦争と土方歳三に因縁のあるお宝をめぐってコナンと服部、怪盗キッド、謎の武装集団が危険な争奪戦を繰り広げる。

去年の『魚影』でも思ったのですが、謎解き&サスペンス映画としての密度がけっこう高くて、今年も飽きる間もなく最後まで連れてかれてしまいました。まぁ驚愕の真相ってほどではないんですけど、踏むべき手順はひと通り踏んでるのでミステリーとして一定の緊張感を持って観られるのはいいとこかなと。展開はちょっと目まぐるしくてシーンもどんどん切り替わっていきますが、ギリちゃんと追えるレベル。中期の映画みたく間延びしてないのがとにかく嬉しい。

超絶ぶっ飛びアクション! は今作も健在で、例によってリアリティもクソもないんだけど劇場で観るとやっぱり楽しく。
もしかするとですが、近年のコナン映画はトレードマークの超絶アクションは前提として、それ以外のミステリー&サスペンスの中身と映画としての密度を充実させることで、リアリティ上の矛盾は飲み込んだ上で二者を両立させるという方向で作ってるのかもしれないですね。
自分も開き直ったアクションシーンはあれこれ突っ込みながら笑って見つつ、ミステリー部分はけっこう真面目に追いつつ、ラストは爆笑&エモーショナルに押し流されるという感じで、確実にこのテンションに洗脳? されつつあります🎥📶🤯。(それでもシーンの繋ぎが若干飛ばしすぎかなーってところはあったけど)

また、逆に言うとこれはコナンにある程度親しんでる人たちに向けた年に一度のお祭り映画で、そういう風に割り切って観るのがなかば前提の作品かも、とは思ったり。
それと自分はTVシリーズは追ってないので、適宜予習したり大昔の記憶を引っ張り出したりしながら観てるのですが、そのうち追いつけなくなりそうな気も……。レギュラー・キャラクターが多くてね……。

あとはラブコメシーンやおふざけ要素もふんだん。歴史ものの楽しさもふんわり香ってるし、aikoの主題歌が流れ始めるタイミングとかも完璧!
まぁ自分としては、叶うことならアクションシーンのリアリティラインをもうちょい現実寄りに引き下げてくれたら……という気持ちは常にあるんだけど、これはこれでけっこう楽しかったです。ただし、やっぱりこれは劇場鑑賞の感想ではあるかな。

設定があまりにも金神……なところはご愛嬌。
針