ひば

NOCEBO/ノセボのひばのレビュー・感想・評価

NOCEBO/ノセボ(2022年製作の映画)
4.2
"侵入"の脅威を描きながら外力ではなく内側から崩壊していく。フィリピン人の民間療法ってそれオリエンタリズムじゃない?という直感的思考も"侵入者"側の視点を最初から混ぜているので、目的は不明だが感情は伝わる、この人にも物語があると意図があり気に入った。いきなり「見過ごされる文化」とかいうマーケティングをされるし。思わずアサリじゃねぇんだからサ…と合いの手入れたくなる描写もとりあえず黙る気になる。何より延々と嫌な気分になる醸し方が気に入った、色に慈悲はない…わたし自身青緑色が大好きだけどもはや強迫観念を感じる暴力的色使い。監督作『ビバリウム』も色の無味さで圧迫し4時間近く見ているようなしんどさと嫌みがあった。あれは人の一生分を淡々とまるですべては無意味だとあっさり切り捨てだけどあと引く嫌さはなかなか出せるものではないなと感心した。今回は方向性は違うが2作とも世界観には浸れるので短時間映画での脚本や編集がうまいんだと思う。とりあえずあらすじを読んでそんな異常事態をいくつも重ねるなとびっくりしどうおさめるつもりなのかとヒヤヒヤしたけど意外とスッキリしてる。今ホラーやミステリーはなかなか幅を利かせてるので是非独創的で創意工夫に富んだ作品が増えてほしいですね。普段見ないようにしていたり気付かないでいる自分の抱えるものに向き合う苦汁なめなめ話は一方では常態化しすぎた為一蹴されるが一方では常態化しすぎた為無表情でチクチク刺してくるからね。侵略者から居場所を守るため高度な訓練してる人たちを思うと胸が痛むね、侵略者はいつだって引き立て役だ。建国神話に編み込まれる誇り高い精神性でもある、花形
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