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イヴの総ての10000lyfhのレビュー・感想・評価

イヴの総て(1950年製作の映画)
4.0
自分がそのファンであるヴェテラン人気女優マーゴを含む演劇界の要人を操り、わずか 8か月ほどでスター女優にのし上がった元いち演劇ファン女性イヴのサイコドラマ。時系列上の結末を映画冒頭で提示しており、「どうなるのか?」ではなく「どうやってあの結末に至るのか?」がオーディエンスの興味の照準で、それが効果的で、引きこまれた。アラフォー女優マーゴを演じたベティデイヴィスが圧巻。対してイヴ役がパッとせず、どっちが主人公?な感すらあるが、イヴを「普通の人」ぽく見せたかった監督の意図かも。終盤、批評家との殺し屋同士/似た者同士対決では完敗など、弱さも併せ持つイヴの人物像がリアル。マニピュレータの印象が強いイヴだが、演技の実力も高い人物(という設定)であることも留意。ピンポイントで、脚本家夫人カレンの、自ら撒いた種が引き寄せたトラブルが自然解決した時の、緊張の糸プッツン哄笑が凄い。無名時代のモンローが端役出演。場面絶妙な「愛の夢」。ラスト、乱れ咲く鏡の反映が強い余韻を残す
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