Rena

メグレと若い女の死のRenaのレビュー・感想・評価

メグレと若い女の死(2022年製作の映画)
3.8
心配だったんだよね。
自分と重ね合わせていたんだよね。
そして、居ても立ってもいられなかったんだよね⋯

簡単にいうと、ただただ事件を推理しながら地道に解いていく様を眺めるだけの非常にシンプルな作品なのですが、私はこの静かに淡々と進む展開や、ノワール的な要素を含む雰囲気。さらに、パトリス・ルコント監督の数々の絵になるショットや全体的に薄暗い印象を与える色調が、とても好きな感じでした。

なぜ、それほどこの事件に執着するのだろう? と、引っかかりを感じながらメグレ警視を見つめていたのですが、それとなく一端が示された時、何とも言えない気持ちになりました。

ちょっと不器用で無愛想で、口数も少なく感情をあまり表に出さないけれど、本当は優しくて、愛情深い人なのだということが、ちょっとしたしぐさや行動から伝わってきましたね。

それにしても、メグレ役のジェラール・ドパルデューは立派な体格ですね!( 前からこんなでしたっけ!? ) どこから見ても丸みを帯びた大きな大きな三角形で、始めは特殊メイクを施しているのかと思いました。
でも、そんな彼にそっと、遠慮がちに肩を抱き寄せてもらえたら、なんだか落ち着きを取り戻し、安心出来そうな気がします。

これはまたぜひ、余韻や雰囲気を感じ取りながら、暗闇の中で じっくりと観賞したいですね。
Rena

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