現実と地続きのリアルな世界を非現実(アンリアル)を象徴する存在である怪獣が破壊するという、怪獣映画の本懐に正面から挑んだムービー。
終戦直後の風景や(特に兵器や軍艦の)設定はフェティッシュなまでにリアルに描かれる一方で、人間ドラマは過剰にウエットでフィクショナルなのは、本作における人間の役割は、現実的な問題(トラウマ、貧困)と非現実的な災い(ゴジラ)の両方に晒されて苦悩するリアクターであり、その反応(リアクション)の分かりやすさを重視したからだと思う。
だから日本屈指のリアクション女優(ビジュアル的にも、キャラクター的にも)浜辺美波がベストアクトを叩き出しているのは、多分必然。