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マーベルズのdramaticgasのネタバレレビュー・内容・結末

マーベルズ(2023年製作の映画)
5.0

このレビューはネタバレを含みます

ポップでほぼコメディなスペースオペラ風ヒーロー映画(なので細かいところは知らん)というキャラクターのチャームに全フリした大変潔いムービー。

MCU最強ヒーローにして、だからこそ(クリエイター側の視点では)最も扱いが難しいヒーローでもあるキャプテン・マーベルと、(演じるイマン・ヴェラーニ殆どそのままの)カマラの若さとチャームが溢れるミズ・マーベルと(あとモニカ・ランボーも)を、(精神的なではなく物理的な)入れ替わりという割とありがちなギミックで強引に絡ませてケミストリーを生み出すニア・ダコスタ監督の剛腕が素晴らしい。

カマラと絡むことで無敵のキャプテン・マーベルなはずのキャロル・ダンヴァースの人間的な表情や台詞、ラフな普段着姿なんかも引き出されて、モニカと3人でキャッキャしているのとかも最高だし、ミュージカル星とか猫地獄とかの小ネタ(?)も楽しいので、個人的には近年のMCU作品の中でも結構好きな方ではある。(シークレット・インベージョンのダークというより単に暗く陰惨な老人的だったのとは全然違う)ノリノリのニック・フューリーの姿が見れたのも良かった。

確かに、虐殺どころか星ごと滅ぼされてしまう人々の扱いが軽すぎたり、ご都合主義というか省略されすぎて有耶無耶になった後始末の数々とか、少し考えると辻褄があっていない部分が大量にあったりもするけど、細かいところは知らんというスタンスは個人的には嫌いではない。

ただエンドクレジット後のヤング・アベンジャーズ匂わせは、普通に興奮したんだけど正直もっと早く本流としてこの展開を進めて欲しかったと思った。フェーズ4以降大量に匂わせと新キャラクターのチラ見せだけが続いて、でも有機的にキャラクター同士が繋がったり合流したりしないのにはちょっとガッカリしていたし、今回の「フューチャーパスト軸のX-MEN登場!」も結局はファンサ的な意味合いでしかなさそう(せいぜいアメリカ・チャベスに繋がるくらい)なのも残念。

ヤング・アベンジャーズも良いけど、取り敢えずカマラのティーンヒーローな日々もっと観たいのでシーズン早めに2よろしく!