哀れなるものたちのdramaticgasのレビュー・感想・評価

プロットはシンプルで理解し易いが、その主題は理解し難い、美しく奇妙な映像美のみが鮮烈に脳裏に残る異次元ムービー。

ヨルゴス・ランティモスが（おそらく意図的に）本作のテーマをフェミニズムに振り切るのを避けたのは、本来は等しく好奇心の怪物である人間そのものに対する愛（フランケンシュタインのモンスターへの愛）故にだったのだと思う。

好奇心をピュアに追求することが許された楽園での暮らしは幸福に満ちており、（好奇心の追求を禁じようとした罪深きものも獣としてなら存在することを許すのだから）優しい。