ぴよまろ

哀れなるものたちのぴよまろのレビュー・感想・評価

哀れなるものたち(2023年製作の映画)
3.6
天才外科医の手で蘇った、脳は子ども体は大人である主人公が、世界を冒険して成長し、保守的な固定観念を壊していく物語。

カラフルで絵本的なアーティスティックな見た目と、主人公の成長物語がうまく組み合わされた作品でした。性的なシーンも多いですが必要以上に扇状的ではなく、主人公ベラがどんどん精神的に成長していくので、説得力がありました。

タイトルの哀れなるものたちは、家父長的な固定観念に囚われた男性たちを指していると思われますが、ベラの成長(無邪気さ→冒険心→知識欲→思想)に伴って時代に置いていかれる様子が印象的でした。色のない世界だったのが、徐々に鮮やかになっていくという、見た目とストーリーの両輪で描かれているようでした。エマ・ストーンの演技も相まってとても美しいです。

癖はありますが、主人公ベラの目を通した世界の広がりが楽しめる作品でした。
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