このレビューはネタバレを含みます
「誰にも手に入るものを幸せって言うの」
"怪物"誰だ?の映画ではない
すなわち完全悪を炙り出す映画ではない
主観が切り替わり
その度にその視点での怪物がそこに居る
不自然なまでの挙動
ニュートラルな神視点だからこそ違和感が増幅する
そこには確実に主観の人物の意思が反映される
自分なりのストーリーを構築した上でのレッテル
噂話という脆弱なソースでさえ担保となる
「怪物だ」と対象を断絶する者こそ"怪物"なのかもしれない
「実際どうだったかはどうでも良いんだよ」
嘘をついてしまった者の宿命
背負っていかなければならない十字架
学校を守るという役目を押し付けるのはいささか横暴がすぎるけども
バックボーンを知った上での言葉の受け止め方は二重に変わる
嘘が悪いわけじゃない
嘘でギリギリ形を保つ場合もある
保身じゃなく大事なものを守る善後策
「元のままだよ」
ビッグバンへ駆け出す出発の音
キリンか馬かカタツムリかナマケモノか
時間の巻き戻しは自我のコンティニュー
花の名前を覚えない、暗闇を怖がらない
男らしくある、男らしく…
オリジナルの消失は品種改良と同義
元のままで良い
元のままが良い
そうして生きていければどれだけ良いだろうか