ホッパー

怪物のホッパーのネタバレレビュー・内容・結末

怪物(2023年製作の映画)
3.0

このレビューはネタバレを含みます

・怪物だーれだ

人は自分とかたちの違うものを怪物と恐れたり、自分自身のわからない部分のことを怪物のようだと嫌悪することができるのだと思う。

序盤は対岸の火事から始まってある意味無関心さを感じた。ハリウッド映画なら、物語をみる人を没頭させるのならば、開幕5分で主人公を渦中に置くけど消化活動をする人にがんばれと言ってはじまるのがなんかイメージの中の日本っぽい。本当に目の前のビルが燃えてて出てくる言葉じゃないと感じてしまった。

序盤の展開はひたすら嫌な感じで中盤、後半で観客に持たせたイメージを覆していく構成でなんか責められてるように感じた。怪物はあなただって。でも俺に言わせれば脚本家のほうがいやな怪物だ。

人とかたちが違うことを怪物かもしれないと恐れなくていい(おとなになってからわかることだけど)クラスに同調していじめなくていい。自分を強く見せるために誰かを傷つけることは逆に弱さを露呈することだ。

同姓を好きになることで家族を築くことを諦めなくていい。同姓を好きになるというか好きになった人を好きになるパンセクシャルかもしれないし誰を好きと思っても怖がらなくてほんとうはいい。誰かを好きになれることはそうそうなくて素晴らしいことだから。でもそれもこれも大人になってから他者に接してから、学んで分かること。

思ったのは怪物とみなした相手に人は強い力を向けられること、向けてしまうこと。身に覚えがありすぎるぐらい。自分のことを怪物みたいに嫌いになったこともあるし、人のことを怪物だと思って攻撃したこともある。だから怪物は恐れる心だと思う。

子役の小さい子すごかったね。今まで天使役とかずっとやってきたのだろうか?後は、あ!崩れてる!だったかなあのセリフは正直あーって感じだった。言わないほうが良かった。窓が光るシーンは綺麗でよかった。

えぐみが残るような印象をもらったのは悪いことじゃなくて良い映画なのかもしれない。みんな観てるみたいだから話の種になるしね。でも、けど、自分は心が震えなかった。

なんか出来事に遡って物語すすむわけだけど最後の遡りに無理を感じたんだよな。なんでか考えるかあ。

初恋しかしらなくて純愛だね。まして、とかそんなふうなのがすごく嫌だ。

高畑充希がキスして部屋から出ていくシーンは良かった。きっと戻ってこないよなって思った。

好きな人に口づけをしたいと思うことを性的指向と考えなくても良いと思うんだよな。祝福とか親しみでしたっていいと思う。悪いこと、罪みたいに描くなら解呪方法も提示してよって思う。大人の望みを子どもたちにのせたみたいだ。

最後に嘘をつく人の2パターン。保身のための嘘と誰かを守るための嘘。校長先生は後者だったんだと思った。

電車でスイスアーミーマン思い出した人いませんか?他にもいるんじゃないかと思ってます。
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