火と水が恋に落ちるファンタジー映画。
しかし実際には、韓国系・アメリカンの実録移民物語。
ピーター・ソーン監督の両親の話をベースに繰り広げられる異文化との摩擦、偏見、差別、融和が火・水・土・風に置き換えられてファンタジックに繰り広げられている。
どこか別の惑星の話に見えてニューヨークの下町の話。アジア人の下町チャキチャキ娘が白人のホワイトカラーと恋に落ちるラブストーリーを幻想的なファンタジーに塗り替えるピクサーの相変わらずの手腕に脱帽する。
アメリカ映画の凄い所は、普通なら野暮ったくて地味になる社会派恋愛話を徹底的にエンタメとして幼稚園児にも分かる寓話してしまうこと。あらゆる文化と宗教を取り込んで1つにするという野望をディズニーから感じる。これこそ、まさに世界戦略。
そんな下心さえも溶かしてしまうような、文化の和合と新たな価値観を美しい映像として表現し爽やかな印象を残してくれる。
二人が結婚したら、蒸気から生まれた雲の赤ちゃんが生まれるのだろうか？この世界観があまりに面白いので、別のエレメントの続編を望む。
