肉浪費Xアカウント復旧無理ぽ

最後まで行くの肉浪費Xアカウント復旧無理ぽのレビュー・感想・評価

最後まで行く(2023年製作の映画)
4.6
タイトルに最後まで誠実に向き合ったラストシーンがリメイクなのに留まらずに振り切った日本ならではのイケメン二人の狂宴
原作映画で感じた二人の"戯れ"が最後までダサい岡田准一と最後まで狂気の開花が止まらない綾野剛だと、戯れで済まない"諸共(友)のカタルシス"が待っている!!

それでも薫る香港・韓国のノワール感よ

いやー近年の、少なくとも邦画では"ラストカタルシス"をバチンッと嵌め込んだ、"爽快感(と表現していいかあれだけども)"や"(色んな雁字搦めを捨てた)振り切る"ほどの鑑賞感を与えるラストを提供できた映画って個人の鑑賞歴ではなかなか見当たらなかったので、そんな"稀少性"も含めて評価も跳ね上がりましたよw

中・仏・比でもリメイクされているなんてさっぱり認知してなかったんですけどwフランス版は2022年にNetflix印で独占配信されていたなんてね…そうなると作りやすいはずの日本版が断トツで遅いのは、なんだかなーって気にもさせますが、、、そんな前不安を吹き飛ばすものに仕上げてくれたことにも評価は必然と加算されてますよ!
なにより"原作を汚さない"というより、そうゆう原・リメイクのあれこれの好き嫌いも吹き飛ばす"突き抜けた改変"、「オリジナリティ」がやっぱり本作の最大の魅力でしょうか。

だって、復習として自分も高評価した(だろう、だから世界でリメイクされる)原作元韓国映画をきちんと鑑賞してから本作を観ましたが、2回目になるとやっぱり細かい点というより、冷静にあれこれ欲しいなの"物足りなさ"が出てくるんですよ。
それを直球に叶えてくれたのが邦画リメイクの本作!
具体的に大まかに"もっと!"の要求点は2つ。
・二大対決となるヴィラン(悪役)のバックグラウンド(人生)の開示
・戯れに似た2人のドタバタが原作の魅力だが"アクションの強化"

それを邦画で一番成功しているのは、同汚職刑事として監察官・矢崎(綾野剛)を2大主人公として立てたことですね。しかも、それだけでも成功例といえる"改善"なのに、リメイク作群とも一線を画す(だろう)点は"彼が諸悪の根源というわけではない"という所にあります。これって考えてみれば"勇気のある改変"で、巨悪であるはずのヴィラン(悪役)の"ランクを下げた"と言ってもいい満足度を下げかねない敵役の怖さのレベルも下げるかと思えば、逆に"狂気(クレイジーさ)は増している"という巧みな切り替えに成功しているんですよね。
これは、あえて悪役が主人公・工藤(岡田准一)に近い立場、"差し迫られてる側・地に足が立っていない側"になる"「危機一髪(タイムリミット)」二段構造"の緊張感を実現しています。

これは、この作品で新規に内包する"メッセージ性"というか、ほのかに感じる"サブテーマ"で"深読み考察"に値するんですが、"今後の日本社会への不安の暗示"を構図的に表しているような気がしますね。
ちょっと"観る側・断じる事の滑稽さ"も深に描いた『TAR/ター』があった手前、饒舌に語るほど恥ずい気がしてるくるのでそれとなく提示するに留めますが、日本社会としての「高齢 対 若人」の圧力・ストレスからの末路の果てに"発散"を二人の主人公に課したのではないでしょうか…
だから「悪=前世代」の構図のもと、"非解決"ではあるものの、それを差し置いての"刹那的気持ちよさ"があるのだと思います。

とにかく、綾野剛さんが『リップヴァンウィンクルの花嫁』で黒木華さん主人公を翻弄するような某おとぎ話のような役だったのに、同じ結婚式場のシーンで逆に窮地に立たされる役になるとは…ユニバースではありませんが、共通シーンでセットで観ると面白いかもしれませんねw
なにより、リメイク群と違い(だろう)善悪ではなく両悪の滑稽な図(だから韓国映画が冴え渡る面白さがあるのだけど)で、イケメンVS巨悪おっさんにしてきたところをイケメンVSイケメンにしたところで、綾野剛さんはそんな片鱗も感じさせないほどの"神経質変貌お兄さん"として、目の細いツリ目なイメージ役に徹している所に"俳優の本懐"も感じさせます。それで、あの結末と表情のバラエティですから岡田さんと共に監督(制作)との"演技魂"の阿吽が合致しているのではないでしょうか?

もう売れ切ってる状態なのに、磯村勇斗さんの"雑魚アウトロー感"は現在を持っても揺るぎねーな、おい!😉(今年出演作が立て続けにバイヤ状態ですよ♪)