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最後まで行くのdeenityのレビュー・感想・評価

最後まで行く(2023年製作の映画)
4.7
原作は韓国映画みたいですが、そちらは未鑑賞ですので比較的な観点ではなく、シンプルに本作を見た感想として書いていきますね。
あとネタバレは含まれますので悪しからず。

その上で本作単体を見た感想ですが、娯楽映画としてトップクラスに面白かったですね。
上映時は、原作があるのは知っていたのでそっち見てから見に行けたらな、とか思ってる間に終わってしまったのでそのままスルーしてしまっていたのですが、こういうタイプの当たり作品をどうして劇場で見逃すのだろうか。。
とまあそう後悔したくなるほど面白かったですね。

こういう劇場向きの、と言いましたが、もう冒頭からノンストップのハラハラ展開でしたね。
岡田くん演じる工藤が雨の夜道を焦燥と動揺の中で走らせてて、その理由が刑事課の汚職発覚、それに自分の母親の危篤。さらには飲酒運転状態。鳴り止まない電話。そしてとどめの母の訃報。からの飛び出してきた人をドーン。
もう人生チーン、って感じですよね。

んでそこからの死体隠蔽してトランクへ。そしたら運悪く検問に捕まり詰問されて…。何とか逃れても、死体どうすんの?問題もありますし、CMにもありましたが、あの現場見られたんかい、って問題もまだまだあって。
とまあここまでですでに面白いですし、この時点で劇場で見なかったことを後悔しましたね。

そういうスリリングな展開に加えてアクションも楽しめるという点でも十分お楽しみポイントなのですが、個人的に何より顔ですね。
主演人物の顔がとにかくいい。岡田くんは本作ではクールな雰囲気は捨て去って、どっちかというとドタバタコメディ的な大きめリアクションでいつもと違った魅力がありますし、あの相槌とか最高に笑えましたね。それに引き換え、クールな雰囲気を壊さない綾野剛演じる矢崎。これはもう途中の挿入ストーリーからしても完全に対比的で、クールにクールに抑え込んで抑え込んで、抑えきれなくなった感情が爆発していった矢崎の顔はまさに狂気で、綾野剛の演技力様様って感じでした。
加えて工藤の妻を演じた広末さん特有のあの軽蔑の顔然り、矢崎の妻を演じた山田真歩さんのあの何も考えてないアホな顔、ヤクザの仙葉を演じた柄本明さんのあのにたり顔。どれも強烈に印象に残る久しぶりの顔映画でしたね。

若干気になったのは肝心のクライマックスのアクションシーンがあんまりテンション上がらなかったな、ってことと、砂漠のトカゲの話のくだりダサくない?ってことくらいで。

ただ、その後に続くラストまで良かったですね。ありがちとは言え、ようやくしっとりとエンディングを迎えるかと思いきや、って展開。最後の最後まで行ききってて、気持ちいいですよね。
まあぶっ飛んでますけど、そもそもコメディ入った演技してる時点でそういうのを狙った作品ではないわけですし、娯楽映画としてかなりハイクオリティな作品でした。
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