deenity

雪山の絆のdeenityのレビュー・感想・評価

雪山の絆(2023年製作の映画)
3.8
2024年のアカデミー賞で国際長編映画賞にノミネートされていた本作。1972年、アンデス山脈でラグビーチームが乗り込んだ飛行機が墜落し、16名が生還を果たすという奇跡の実話を描いたNetflix作品です。

元の話が有名なので知ってる方も多いかもしれませんが、私は同じ話を扱った作品でイーサン・ホーク主演の『生きてこそ』で知りました。
と言っても記録を見ると7年前の鑑賞なので、事件の大まかな内容こそ覚えてますが、比較して説明するほどのことはできません。
ただ、改めてあの雪山の中を72日間生存していたと聞いてもやはり信じられませんね。辺り一面が真っ白な広大な山脈。衣服や食料もまともにない。あの絶望感は希望を失うレベルですね。冷え性の自分には絶対無理笑

しかし、その中を生き抜いたのが事実であり、当然飲まず食わずで生きられるはずもなく、この極限状態の中で手を出すとしたらまああれしかないですわな。
別に生々しい表現とかはないので誰もが見られる作りにはなっていますが、人間としての尊厳云々って問題で当時も批判とかはやはりあったみたいでして。
まあでもあの状況を前にして生きることを諦めろってことの方がどうかとは思いますし、温かい部屋の中でニュース等で事実を知り批判するような連中がいるとしたらせめてこの映画見てから言えって伝えたくなります。

『生きてこそ』の印象こそあまりありませんが、正直淡々としていて映像的に訴えるものはあまり記憶に残ってなくて、今の技術でそれを表現していくとやはり再現度が違うといいますか、緊迫感は大きく差があると感じました。
特にあの雪崩のシーンですよね。緩急を使った演出の絶望感。タチが悪いですよ、本当に。でも、それでも生き延びたんだから、人間の生命力って馬鹿にできんですね。
deenity

deenity