たっくんの中のたっくん

ELLEGARDEN : Lost & Foundのたっくんの中のたっくんのレビュー・感想・評価

ELLEGARDEN : Lost & Found(2022年製作の映画)
4.1
本当にバンドが大好きで、中学時代追っかけてリアルタイムで観てた、ELLEGARDENというバンド。
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人生で最も好きなバンドの5本指には入るはずだけど、ダントツ一番か?と言われると、そうじゃなかったりもする。
他に今の自分の好きなカルチャーやライフスタイルに影響を与えたバンドはいる。
死ぬほど憧れて真似してTeeシャツも買ったけど、「どっか格好とか、ロゴとかダサいんだよな」って思ったりもした。
だけど、未だに昔のアルバムを聴いて心からカッコ良い。と思えて、ノスタルジーではなく胸が熱くなるバンドはそうはいない。
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それが何でなのか?
の答えがわかるドキュメンタリー作品。
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作品としては、4人のそれぞれのインタビューをベースに過去の映像、情景を表すアニメーション(これが味があってすごく良い。多分高架線のPVの人)、エルレをよく知る人のインタビューで構成された、よくあるものだと思いますが、物語の構成がうまく痺れる。
楽曲も大事な所で都度差し込まれてる印象。
エルレがどんどん売れていく所を、ゲリラで行っていた路上ライブ→徐々に満員になるライブハウス→フェスのステージと、『風の日』のライブ映像一本で通す所は良かった。
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読んでない方はわかないと思うが、漫画『BULE GIANT』の主人公の大のようなバンドの姿勢が垣間見えるインタビューが印象に残った。
アマチュア時代にデビューした地元のライブハウスに対して好きな場所だけどここにいてもダメだと思ってた事や、
地元のやつに「あいつからチケット買ったら1500って言われたけどいくらまで安くできる?」って聞かれて「2000円分の演奏するから、俺らから買うなら2000円で買ってくれ」と返したところ、
地方のCD屋でCDを取り扱って欲しいけど聴いてもらわなきゃ仕入れてくれないと思うと言ってレジの前で店主に弾き語りで曲を聴かせてたこと
この他にも本当ブルージャイアントか!!って突っ込みたくなるシーンがたくさんだったし、何よりそれが一人のメンバーからじゃなく全員のエピソードから出てきた事が印象に残りました。
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当時の僕にはELLEGARDENは、青春パンクや、メロコアの残火や、ギターロックが台頭していたロックシーンの中に彗星のごとく現れたイメージだったが
何となくメロコアの雰囲気や、ギターロックのメロディ感もあったし、「あぁその辺の中から出てきたのね」くらいには思っていたけど、
このドキュメンタリーを見て、ELLEGARDENが如何に何もない所から叩き上げで出てきた異常なバンドなのかをを改めて思い知らされた。
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最初の何でELLEGARDENが他と違うのか?
の僕なりには、
実はどのバンドとも"違って"、誰よりも"真摯に直向き"だから
という答えなんですが、
是非この映画を観て、何となくで良いので同じ答えになる人と話したいなぁ。って思います。