こんなにも切なくて優しい大衆ミステリーは観たことない！
冒頭にある、「愛は計算できない」を説明するくだりが非常に重要。
トリックや事件の内容の伏線張りと回収だけでなく、
心理描写のストーリー自体も同じく伏線→回収となっているのが見事で、
また通常のドラマシーンのセリフや背景や表情、画面に映るすべてが「トリック」と「心理描写」の伏線になっているのも見事なので、
どこも見逃さないで頂きたいし、
・原作を読んだことある方
・上映当時に一度観たことのある方
も是非観て面白い作品になっていると思います。
ここからはネタバレ。
「愛は計算できない」
全ても完璧に仕組んだ堤真一演じる石神でしたが、「他人から自分への愛」だけは計算ができなかった。
それは、松雪泰子からの愛と、福山雅治演じる湯川の友愛
ラストの石神の涙と「どうして？」というセリフは、
「自身への愛」に理解ができず、
理解ができない事象によって自身の「美しい計算」が壊されたことに対する
「怒り」や「喪失」にも似た感情だったように思いました。
それを表現した堤真一に大拍手。
