かこ

658km、陽子の旅のかこのネタバレレビュー・内容・結末

658km、陽子の旅(2023年製作の映画)
3.8

このレビューはネタバレを含みます

🎬 658km、陽子の旅

🕒 113分/日本/ドラマ

📣 熊切和嘉監督

🖋️
心がヒリヒリ痛んだ……
自分と対峙する陽子に共感、そして応援したくなる!

めちゃくちゃ良かった🔥

今まで生きてきて、私は何をしてきたのか?
何か形に残してきた物はあったかな?と、ふと思うときがある。
特にコロナ禍では、そんな思いが強かった気がする。年齢的なこともあるけど、完全に焦りですよね。でも焦っても諦めても、時間は過ぎていくばかり。

主人公のフリーター42歳の陽子も、
ほぼ人生を諦めかけていた。
極力 人と接することを避けた生活をしていて、ざっくり言えば "隠キャ"とでも言うのかな。

わたしは、過去を振り返ることも出来ず、前にも進めず、その場から動けなかった陽子を見て、心がズキズキヒリヒリと痛みだした。

陽子に変化をもたらす出来事はないのかな、
と思っていたら割とそれはすぐに起こった。
疎遠になっていた父親の訃報だった。

訃報を受けてから色々なことが重なり、
東京から青森まで陽子のヒッチハイクがスタート。

ヒッチハイク中の陽子を見ていて、心も痛むんだけど、もどかしさも感じてしまったのも事実。

(ごく稀に動物やお化けと会話できちゃう人もいるけど)よ〜く考えてみれば、
人は人との関係で成り立っているから、
まず人と関わること、それが突破できなければ、父が待つ青森まで辿り着けない。

それでいいの?陽子!
もう本当にもどかしかった。

でも出会った人たちは初対面の陽子に、
良い事も悪い事も感じさせ、教えてくれた。
そしてヒッチハイクが進むに連れて、陽子も変わっていく。

一番の見どころだと思うシーンが
物語も終盤に差し掛かり、親子が乗せてくれた車中で陽子が今までの自分と対峙し、
感謝の気持ちを言葉にするシーン。

気持ちを吐き出すことの大切さ、
自分の弱さを認めてあげて、
やっと前に進めるんだと実感‼︎

それに青森に近づくにつれて雪景色になるけど、陽子の心はそれとは反対に温かく雪解けに近づく。
そんなところも凄く良かった!

人生に何歳だから手遅れなんてない。
何もかも手遅れだったら、ゆっくりでも追いつけばいいと思った。それに気づいたことが超ラッキーなんだから。

わたしには凄く刺さった映画でした。
もうね、凛子さんが素敵で素晴らしかったよ〜🩷
かこ

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