このレビューはネタバレを含みます
🎬 658km、陽子の旅
🕒 113分/日本/ドラマ
📣 熊切和嘉監督
🖋️
心がヒリヒリ痛んだ……
自分と対峙する陽子に共感、そして応援したくなる!
めちゃくちゃ良かった🔥
今まで生きてきて、私は何をしてきたのか?
何か形に残してきた物はあったかな?と、ふと思うときがある。
特にコロナ禍では、そんな思いが強かった気がする。年齢的なこともあるけど、完全に焦りですよね。でも焦っても諦めても、時間は過ぎていくばかり。
主人公のフリーター42歳の陽子も、
ほぼ人生を諦めかけていた。
極力 人と接することを避けた生活をしていて、ざっくり言えば "隠キャ"とでも言うのかな。
わたしは、過去を振り返ることも出来ず、前にも進めず、その場から動けなかった陽子を見て、心がズキズキヒリヒリと痛みだした。
陽子に変化をもたらす出来事はないのかな、
と思っていたら割とそれはすぐに起こった。
疎遠になっていた父親の訃報だった。
訃報を受けてから色々なことが重なり、
東京から青森まで陽子のヒッチハイクがスタート。
ヒッチハイク中の陽子を見ていて、心も痛むんだけど、もどかしさも感じてしまったのも事実。
(ごく稀に動物やお化けと会話できちゃう人もいるけど)よ〜く考えてみれば、
人は人との関係で成り立っているから、
まず人と関わること、それが突破できなければ、父が待つ青森まで辿り着けない。
それでいいの?陽子!
もう本当にもどかしかった。
でも出会った人たちは初対面の陽子に、
良い事も悪い事も感じさせ、教えてくれた。
そしてヒッチハイクが進むに連れて、陽子も変わっていく。
一番の見どころだと思うシーンが
物語も終盤に差し掛かり、親子が乗せてくれた車中で陽子が今までの自分と対峙し、
感謝の気持ちを言葉にするシーン。
気持ちを吐き出すことの大切さ、
自分の弱さを認めてあげて、
やっと前に進めるんだと実感‼︎
それに青森に近づくにつれて雪景色になるけど、陽子の心はそれとは反対に温かく雪解けに近づく。
そんなところも凄く良かった!
人生に何歳だから手遅れなんてない。
何もかも手遅れだったら、ゆっくりでも追いつけばいいと思った。それに気づいたことが超ラッキーなんだから。
わたしには凄く刺さった映画でした。
もうね、凛子さんが素敵で素晴らしかったよ〜🩷