受け手によって感想がまったく変わる映画。
映画を見終わっても監督の伝えたいことのほとんどを取りこぼしているような感覚があった。一方で物語の余白を考える時間が楽しくて、自分の鑑賞体験や考察を通していろんな人の解釈や見解を知れる面白い映画でした。
以前アーヤと魔女公開記念のインタビューの中で、宮崎駿が作品の魅力について”この生きにくい世の中にどんなに生きにくくても、とにかく隙間を見つけて、隙間をこじ開けて味方をちゃんと作り生きていく。現代の人たちはその力が1番足りない”(意訳)と述べていたのがすごく印象的に残っていました。
このインタビューの通り、まさに今回の主人公の眞人は母の死をきっかけに塞ぎ込んでいた状況から、新しい母との出会いや新天地での変化、自分がどのようにして生きていくのかを家族や女中、次々に出会っていく人々に手助けしてもらいながら模索していく、という状況に直面していく。
“君たちはどう生きるか”
この題名こそが宮崎駿監督が今を担う世代に投げかけた言葉であり、この映画の本質なんだろうなと思いました。大叔父にあんなに敵対しあっていた青鷺のことを友達と宣言する眞人の純朴さよ。
前情報なしで見る映画ワクワクして最高だった。田舎の映画館でもほぼ満席だったのでまた時間を空けて、空いてる時に映画館で見たいと思います。
