yellowwhite

君たちはどう生きるかのyellowwhiteのネタバレレビュー・内容・結末

君たちはどう生きるか(2023年製作の映画)
-

このレビューはネタバレを含みます

映画館で視聴

序盤から町中を走行する戦車やバスや自動車がやけにおもちゃの様にデフォルメに描かれていると思ったら、あまり意味を見いだせなかった
太平洋戦争のまっただ中の戦時中であることを少しだけ触れるからか、あまりリアルに描きすぎても作品の主題とは異なるからなのか
疎開してすぐの場面で「サイパン陥落」が言及されるので、作中の出来事はほとんど1944年6月直後くらいであることが分かる

一番の大オチは、不安定な積み木で築かれている閉じた世界でさえ歪さは無くせないし不平や不満が無くなることはない、だとするならば「君たちはどう生きるか」ということなんだろう

眞人が「下の世界」のヒミこと眞人の実母 ヒサコに初めて会ったときから、なぜ「お母さん」と呼ばないのかと不思議だったが、作中での継母のことを「お母さん」と呼ぶことに一定のカタルシスを持たせるために、敢えて言わなかったことと、途中で実母とは気付くが、視聴者も火事のシーンの記憶などで何度か提示される目に見えた伏線であるから省略したのかな~と感じた

積み木が出てきてからの過去のジブリ映画のオマージュぶりはびっくりした
覚えてるだけでも、木製の階段が瓦解するシーンは「ルパン三世 カリオストロの城」や「天空の城ラピュタ」だし、大伯父が佇んでいるあずまやは「紅の豚」だし、塔の存在や窓から身を乗り出すのは「千と千尋の神隠し」だし
あれはどこまで外部からの助言でOK出したのかが気になる、「最後だし」みたいな感傷があったんだろうか

ヒミが現実世界に戻ることでヒサコになる(神隠しから戻る)のはいいとして、若い方の女中 キリコがどう戻るのかは不思議に思った

映画ラストは終戦から2年後に東京へ戻る場面で終わるが、眞人が当時のことをどこまで記憶しているかなどはまったく提示されないので、ここは視聴者に委ねられているのかな
yellowwhite

yellowwhite