はる

マダム・ウェブのはるのレビュー・感想・評価

マダム・ウェブ(2024年製作の映画)
4.0
プレコグニションが扱われる作品なのかと予告編で知って観ることにしていた。そしてそこでそれなりに楽しめたのが大きい。予告編なんかちゃんと観ないので、当地では一悶着あったと聞いても、ああそうなのとなるだけだ。
「難しいことしてるな」というところから、だんだんと馴染んでいって、さらなる拡大もあった。
「SSU」については特に親しんでこなかったが、こうして単体で観られるものは良いなと思うし、ここで終わらせるには惜しいポテンシャルを感じる。

「難しいことしてるな」は、能力の説明の描写のことだが、つまるところ主人公のキャシーが戸惑っていることを優先するとああなるということだろう。上手くないんじゃなくて、ややこしくしている。「もし運転中だったら」とか思いついても言いっこなしで。
まあ編集についての指摘なら、むしろそこで笑いたいくらいで、キャシーがダイナーに車で急ぐシークエンスで「意外と遠いな」「抜いたのにすぐ右折」とか可笑しくてたまらかったね。

「Toxic」の辺りはネタとしてやっていたし、あの雑な感じも含めて楽しい。主人公の不器用さが妙なノリを増幅させている印象も受けたが、そのキャシーが目覚めていくのは、問答無用で「救いたい」という気持ちからだ。その一点突破がこちらとしてはグッとくるわけで、良かったなと思う。
そしてこちらでは「責任を負う覚悟があれば、力が伴う」とされていて、良いアレンジだなと感じた。

いわゆるスパイダー・センスを拡張させて、予知というか極めて正確な予測によって何が起こるのかを瞬時に把握しているようにも見えた。おそらく不確定な要素は常にあるはずだが、そこはチート気味の「予知」が大枠を確定させていく。そしてキャシーの「察知網」はあのNSAのシステムのように拡大していくのだろうから、そこでのスパイダーウーマンたちとの共闘は面白くなりそうなんだよね。

パラドックスになってしまうところでの色んなアレンジもあるだろうし、できるなら何かしらの形で「次」を期待したい。
はる

はる