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恋する透明人間のRenのレビュー・感想・評価

恋する透明人間(2020年製作の映画)
3.0
本来なら短編アニメでやるようなリアリティのお話を、実写でやっているからこその可愛さ・お洒落さ・心地良さがあってほっこりと満足できた。

まず現実ではあり得ない色彩設計。壁が一面黄色やピンク、ラボには青透明の液体が並び、色相環のポスターが飾られている。そんな色合いが平気で存在する世界のお話。
登場人物全員の物分かりと飲み込みが早すぎるのだけど、この世界ではそうらしい。インテリアも洋服も色だらけ(2人の服が反対色になっているのも素敵)でかつ包帯ぐるぐる巻き男にザワつかない世界。

好きな女性を見るとすぐ顔が真っ赤になってしまう男性が、緑色素の液体を飲んで補色の作用で赤らみを誤魔化そうとするが、やり過ぎて透明人間に!
透明人間ものの基本「全裸で歩く」から始まり、透明誤魔化し大喜利のドタバタで20分抜かり無く楽しませてくれた。 

普通に「映画を観た」とも少し違う読後感だった。子どもの頃『ニャンちゅうワールド放送局』(めっちゃ世代)とかで海外の子供番組を観たときのような、フワフワした距離感の可愛くてファンシーなものに触れたときのことを思い出して不思議と浄化された気分になった。

寛容で大らかな方がいてそんな人を好きになれて良かったね、と言えるほっこり恋愛ファンタジー。好きな人が優しかった。ザ⭐︎ピ〜スな20分の短編作品。
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