ミヤザキタケル

インフィニティ・プールのミヤザキタケルのレビュー・感想・評価

インフィニティ・プール(2023年製作の映画)
4.0
スランプ中の作家が訪れた異国のリゾート地。そこではどんな犯罪を起こしても、金さえ積めば自身のクローンを作成し身代わりにすることで罪を免れることができる。そうして目の前で自分と遜色ない存在が死刑となり生き長らえた男。自らの存在を否定され殺されるのと同時に、肯定もされ生きている。その矛盾に困惑し、自暴自棄に陥り、増長し、彷徨い歩いていく男の葛藤に魅せられた。

自分とは何か、自らの存在意義とは何か、何のために生きるのか。一見ぶっ飛んでいる作品のようで、その実、とても普遍的な人間の感情を扱っている作品だったように思う。