ミヤザキタケル

DOGMAN ドッグマンのミヤザキタケルのレビュー・感想・評価

DOGMAN ドッグマン(2023年製作の映画)
4.0
ある夜、車の荷台にたくさんの犬を乗せた負傷している女装姿の男が警察に捕えられる。精神科医との対話の中で語られていく彼の過去。その生い立ちから現在に至るまでの道筋を辿っていく構成になっているのだけど、映し出されていく彼の苦悩や痛み、絶望的とも言える境遇の中であろうと生きることを諦めず、ありのままに生きていく術を模索していく様に只々魅せられた。

彼が歩む生き方は倫理観を問われるものではあるけれど、社会や他人が定めた価値基準に囚われることなく、自分という人間にとっての幸福を見出すことの大切さや、容易に築くことのできない愛の重みを思い知らされ、自らの実人生を省みる機会を得た。

そして、『ニトラム NITRAM』の時もスゴかったが、今回のケイレブ・ランドリー・ジョーンズの演技もスゴかった。また、犬との絆をその身で実感したことのある人ならば、なおのこと響くかもしれません。

リュック・ベッソン監督作品の中で一番好きかも。