子供時分は、ナウシカは王蟲や巨神兵のビジュアルからか何となく怖いイメージを抱いていた。
今見ても、しっかりと作りこまれている世界観には驚かされる。
のちの新海監督の「星を追うこども」や吉浦監督の「サカサマのパテマ」なんかもジブリのカラーに近いが、本家、宮崎アニメに比べると、その作り込みがまだ弱いように感じる。
ただ個人的にはかえってその設定の多さが肌に合わず、「ラピュタ」「トトロ」「魔女宅」に比べると、そんなに好きじゃない作品でもある。
また、ナウシカのキャラもあまりに聖人君子すぎて、ちょっと親近感がわかないのも正直なところ。
…とこれはあくまで個人的な意見。
それまでのような勧善懲悪のストーリーではなく、明確な敵を登場させないことで反戦テーマを出した点は革新的だと思う。
また終盤の展開もキリスト復活を彷彿させるような宗教色の濃い内容なのも秀逸で、日本以外の国でも高い評価を受けたのも頷ける。
ちなみに、スタッフ・クレジットに庵野秀明氏の名前があるが、まさかこの約30年後に宮崎アニメの主役をやるとは当時の人は誰も予想しなかったろうなぁ…。