ひろぽん

名探偵コナン 瞳の中の暗殺者のひろぽんのレビュー・感想・評価

3.8
劇場版『名探偵コナン』4作目

現職警察官が狙われる殺人事件が相次いで発生する。そんな中、佐藤刑事までもが何者かに襲われ、その場に居合わせた蘭が犯人の顔を目撃するも、ショックの大きさから記憶を失ってしまう。犯人は蘭に顔を見られたと思い、蘭の命を狙う。コナンは自分のことさえも忘れられてしまった蘭を必死に守り抜き、警察官連続犯人事件の謎を解き明かしていく物語。


警察官が連続して殺害されたことから内部の犯行ではないかとの疑いがあり、小五郎が詮索を入れると白鳥警部からは
“Need not to know.”
「知る必要のないこと」
と止められてしまう。
警察内部の組織的な犯行だと思わせる展開が面白い。

蘭が記憶喪失になり誰のことも覚えていないという絶望的な状況で、小五郎や少年探偵団をはじめ周囲の人たちの優しさと温かさを感じた。特に、園子は記憶が戻らなくとも涙を流し、親友のままでいようとする友情と健気な姿には心打たれた。

新一と蘭がデートした思い出の地であるトロピカルランドを舞台に、犯人との決戦を迎えるというのが良い。電話で蘭が新一にまた行こうと誘って、コナンの姿とはいえ実現しているのが凄い。

デートの時に、新一が噴水で2人だけの空間を演出するというのが高校生のプレゼントとして素敵な演出だと思う。

過去に新一が使った噴水の演出と、コナンが逃げるために使った噴水の演出が重なり、蘭が目撃した襲撃された時の記憶を取り戻すシーンが巧みすぎる。

今作の犯人は執念深くしつこいタイプだから面白い。親父にハワイで船の操縦まで教わって運転するコナンのヤバさ。

都大会優勝者である蘭の空手技はナイフを一刀両断してしまうのだからスゴすぎる!

記憶が戻らなくても、新一との思い出はうっすら覚えているところから蘭のタダならぬ愛が伝わってくる。また、コナンも命懸けで蘭を守る愛も同様。

推理も楽しめる作品であり、新一と蘭のラブロマンスも楽しめるのが本作の面白いところ。歯が浮くようなクサイ台詞でも、新一が言うと様になるカッコ良さ!

“オメーの事が好きだからだよ。この地球上の誰よりも。”
ひろぽん

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