イチロヲ

新未亡人下宿 いろ色教えますのイチロヲのレビュー・感想・評価

3.5
若い未亡人(大原恵子)が運営する下宿で、悶々とした生活を送ってきた留年生(久保新二)が、晴れて9年越しの卒業を迎える。未亡人下宿を舞台にした艶笑喜劇を描いている、日活ロマンポルノ。ワタナベプロダクション製作。同名シリーズ通算7作目。

下宿生を引いた目線で眺める存在だった未亡人が、本作では能動的にアクションを引き起こす。肉屋と三河屋を絡ませて、町内全体を巻き込んだセックス劇へと展開するところが面白い。シリーズの定石から良い意味で逸脱している印象を受ける。

エッチな未亡人の存在に色めき立つ感覚がきちんと伝わってくるし、「いよっ!待ってました!」と声掛けしたくなる歌舞伎的展開も用意されている。あくまでも、未亡人は癒しを与えてくれる、女神的な存在であるところが、最大の魅力となっている。

終局における久保新二のはっちゃけぶりと、有名校の大学校歌をバックした濡れ場が抱腹絶倒。大学生が成人映画館に出入りしていた、当時の世相を推量することができる。
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