社会のダストダス

ダムゼル/運命を拓きし者の社会のダストダスのレビュー・感想・評価

ダムゼル/運命を拓きし者(2024年製作の映画)
3.7
ミリボビ流 おれの屍を超えていけ

クリクリ坊主で小っちゃかったミリボビちゃんが成長してお嫁に行くなんて、悲しい日が来てしまったものだ。嫁ぎ先の王家がやばいこと云々は置いといて、俺はこの縁談に最初から反対していたというのに。世のお父さんは娘が旅立つとこんな気持ちになるものなのか。

今やすっかりネットフリックス女優のミリボビちゃん、ゴジラ以外はほとんどネトフリ作品。ネトフリと終身雇用契約結んでいるじゃないかというくらいに、ネトフリとともに大きくなってきたミリボビちゃん。ついには結婚かと思ったら生贄に捧げられるとか、てめえらの血は何色だ!?

大国の王子と結婚することになった、貧しい国の王女エロディ(ミリボビちゃん)。甘々な結婚式を執り行い気分は既にハネムーンだったのも束の間、何と行き先はお一人で奈落の底に片道バンジージャンプ。王家を代々脅かしてきたドラゴンへの生贄にされてしまったエロディは死に物狂いで脱出を試みる。

え、王子役ニック・ロビンソンだったのか、ぜんっぜん気付かなかった、髪型のせいか知らん俳優だけどブラピに近い系統のイケメンだという風に思っていた。そしてロビン・ライトの悪役ぶりが気持ちいい。

知恵と若さと根性で跳ねまわるミリボビちゃんを堪能する映画。性格といいアクションといいコルセットを煩わしく感じる描写なども、エノーラ・ホームズがそのままファンタジーの世界に来たような感じなので、邦題は『転生したらドラゴンの生贄にされた件』にしても良かったかもしれない。

ドラゴンさんが人語を話すのだが、なかなか恐怖を煽ってきて味のある語り口。声も美声だけど、有名な人が吹き替えているのかな。ドラゴンさんが繰り出すキルムーブも多彩で、能力と合わせて心理戦も仕掛けてくる様はかなり強敵感が醸し出されていた。それでこそミリボビちゃんの応援に熱が入るというものよ。

幸福から一転、文字通り奈落に落とされ、生贄として死を待つだけの状態から這い上がる。婚姻の罠と、代々受け継がれてきた慣習、そして王国の闇の歴史、ミリボビちゃんが覚醒する!ミリボビちゃんが七転八倒する姿を楽しめたし、ドラゴンさんは出番多いしカッコいいし、展開もスカットランドだったので面白かった。

ミリボビちゃんはサバイバルが良く似合うなぁ。