けだもの

マエストロ:その音楽と愛とのけだもののレビュー・感想・評価

3.0
ブラッドリー・クーパーとキャリー・マリガン、主演2人の圧倒的なまでの演技力の塊をぶつけられた気分。
レナード・バーンスタインの半生どうこうよりもそっちに意識が向いてしまったほど。
凄まじい。
教会で指揮者として立つシーンでは、鬼気迫ると言ったらいいのかまるで憑りつかれたかのような、演技とは思えない迫真の指揮ぶりを披露している。
えっと、現役の指揮者の方……?
劇場公開している今こそ是非スクリーンで見るべきだ。
クーパーの老けメイクのあまりの自然さにも驚く。
特に冒頭と最後に出てくる晩年の姿、別人の高齢の俳優かと思えるほど髪の毛や顔の皺に全く違和感がない。喋り方や体の動かし方まで年齢を重ねたように見える演技をしているからというのもあるだろうが、あのビジュアルのインパクトはなかなかのもの。
メイクを担当したのはあのカズ・ヒロ氏。
納得のクオリティである。
それに加えて音楽は全編バーンスタインのものらしい。
彼とフェリシア夫婦のことも含め、この映画を全て受け止めるには自分の知識が足りなかった。

劇中の時代変化に合わせて色味と画面サイズも変えてくる演出、伝記映画にはよく合うなと思う。
いつの間にか変わっていてその瞬間に気付けなかったのは不覚。
それだけ演技に見入っていたということで。


PG12だった理由だけがさっぱりわからない。
別に過激なシーンなんて1つもなかったような。
けだもの

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