けだもの

駒田蒸留所へようこそのけだもののレビュー・感想・評価

駒田蒸留所へようこそ(2023年製作の映画)
5.0
独楽を回すには糸が必要

P.A.WORKSのお仕事シリーズ5作目。
今回はとあるウイスキーの復活にかける蒸留所のお話。
恋愛要素やギャグパートをなくし、ひたすら丁寧に蒸留所の社員達の絆と奮闘にフォーカスしている。
そのシンプルさ故にまとまり具合が素晴らしく心地の良い空気感に浸れる良作。
蒸留所を取材することになる光太郎がウイスキー初心者という設定なので、お酒を知らない人でも映画を見ながら知識をつけられる。
最初こそ彼のあまりのやる気のなさにイラっとさせられるが、引っぱたかれてから前向きになり仕事でもプライベートでも明るくなっていく様子はとても嬉しい。
でも腐の描いた絵を本人の前で解説するのはやめような……
独楽の復活物語と、1人の新米記者の成長物語が上手くブレンドされて、「独楽ができたよ」という台詞へと辿り着く。
先代が琉生の母親のほうをチラっと見てから出来を評価している事も合わせて泣ける。
まさに家族のお酒。
数量限定で実際に独楽を出したら売れるのでは?

自分のお仕事シリーズランキングは1位が『花咲くいろは』で不動なものの、2位に『駒田蒸留所へようこそ』が入ってきた。
上映が終わるまでにあと2回は見ておきたい。河端さんの姿を。
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