回想シーンでご飯3杯いける

ニモーナの回想シーンでご飯3杯いけるのレビュー・感想・評価

ニモーナ(2023年製作の映画)
3.9
アメリカのND・スティーヴンソンによるグラフィックノベルを原作とする、Netflixオリジナル・アニメ。元々はディズニーによって制作が始まった経緯を持つらしい。

中世の騎士道の精神を持つ国家が現代に存続するという設定で、近未来テクノロジーと、スチームパンクと、中世の神話が混在する世界観が、とても魅力的。これを「スパイダーバース」にも通じる、CGを使った手書き風アニメによって描いている。

ND・スティーヴンソンがセクシャル・マイノリティーという事で、作品内では、同性愛者やトランスジェンダーと思われる人物も登場する。主人公であるニモーナは、十代の少女に見えるが、彼女自身は自分をあくまで「ニモーナ」と呼び、性別や風貌に縛られない事の大切さが、本作のメッセージの核になっている。

音楽はポップ・パンクが中心で、ニモーナの声優がクロエ・グレース・モレッツという事も関係するのか「キックアス」でおなじみの、あの曲も使用される。

多様性を謳う教科書的な要素もあるが、とりあえずは大音量でパンクを楽しむ感覚で観る事をお勧めしたい。そこから何を感じ取ったかは、後から考えれば十分だ。