うーん、どうだろ。
NYの一瞬を捉えた美しいロングショットやゆるやかなパン、構図の切り取り方などが素晴らしい。その作風は同じ韓国系アメリカ人監督のコゴナダのデビュー作『コロンバス』の影響が大きいのかも。
ストーリーはシンプルで、幼馴染の韓国人が大人になってNYで再会する淡いラブストーリー。日本映画でいえは、成瀬巳喜男に近いと思う。
輪廻転生が語られ、アジア映画的なリズムが心地よい。しかし、アメリカンコリアンとして現代的な生き方をする女性とティピカルな思考の韓国人男性を比較するのは少々古臭い。文化的な興味はあったとしても、表現のカタルシスも乏しいと思う。
観劇後、あまり感情は沸かず、成瀬が観たくなった。