マクマーフィ

哀れなるものたちのマクマーフィのレビュー・感想・評価

哀れなるものたち(2023年製作の映画)
3.6
勇気と無謀さを併せ持った冒険譚。

砂漠の州アリゾナで生まれ、女優を夢見てフェニックスの高校を中退してLAに移り住んだエマ・ストーンがここまで来るとは感慨深い。彼女は確実に時代を象徴するアイコンのひとりとなった。

そんなエマのエキサイティングな人生と本作はある意味重なっている。

作品の前半で見せるコミカルな身の動きは、彼女が幼い頃から取り組んだバレエシアターのキャリアがあったからこそ。後半の叡智を獲得し、大人の女になっていく演技の変化は、エマ本人の映画芸術への理解度や貢献と重なる。

エマの女優人生は勇気と無謀さを併せ持った冒険譚だったことだろう。それはまた本作のテーマでもある。キャラクターアークにおける、大胆さと繊細さのディテールが素晴らしいのは当然だ。


ちなみに、エマは渡辺雄太が所属するNBAの名門フェニックス・サンズの熱烈なファンとしても有名だ。