アフガニスタンの山奥で取り残された米軍のオッサンが、通訳のオッサンと一緒にタリバンのオッサンたちから逃げる話。
出演者の9割がヒゲのオッサンという、ヒゲのオッサン好きには堪らない作品。
米軍のオッサンを演じるのはジェイク・ギレンホール。通訳のオッサンを演じるのがダール・サリム。
アメリカ永住ビザを得るために頑張る、この通訳のオッサンが偉大すぎる。
「子連れ狼」よろしくジェイク・ギレンホールを荷車に乗せて、テロリストだらけのアフガニスタンの大地を100kmも移動。追ってきたテロリスト連中は、ほぼノーダメージで殲滅させる……って、前職は戦艦のコックか何かですか? 通訳やってる場合じゃなくね? ランボーとかと一緒に、さっさと最前線に送り出したほうが良くね?
と、通訳のオッサンが一騎当千の活躍をしている間、ジェイク・ギレンホールは何をやってるかというと……。
寝てるだけ。
俺が通訳のオッサンなら
「てめー! 起きろよ!」
「サボってんじゃねーよ!」
と、深夜コンビニバイトの先輩のようにブチ切れるのだが、通訳のオッサンいい人すぎる。こんな通訳のオッサンが付いてくれるんだったら、俺もジェイク・ギレンホール役のバイトしたいくらい。
さすがにこれだけで映画終わったら
「これ、『ジェーン・ドウの解剖』の死体と同じ、ギャラ泥棒じゃね?」
と、ブチ切れるところだが、ちゃんと後半ではジェイク・ギレンホールも活躍してくれて一安心。
ただ、前半のジェイクは、ラリってばっかりでなくて
「ちゃーん」
くらい呟いてくれてもバチは当たらなかったと思う。
監督はガイ・リッチー。ただ、ガイ・リッチーっぽいスタイリッシュな映像とか、二転三転するストーリーとかは無いので、最後エンドロール読むまでガイ・リッチー作品だと気付かなかった。
しかしガイ・リッチー、最近、「そろそろ死ぬんじゃね?」と、心配になるくらい矢継ぎ早に作品をリリースしてるよね。どれも面白いので映画ファンとしては良いことなんだけど。
前作「オペレーション・フォーチューン」が、ハゲ(ジェイソン・ステイサム)がフサ(ジェイソン・ステイサム以外)を無双する作品だったので、今回はヒゲがヒゲを無双する作品を制作して、バランスを取った、ということなんじゃないだろうか……って俺は何を言ってるんだ。
戦争映画と思わせて良作なバディ映画でした。
(おしまい)