むらむら

コヴェナント/約束の救出のむらむらのレビュー・感想・評価

コヴェナント/約束の救出(2023年製作の映画)
5.0
アフガニスタンの山奥で取り残された米軍のオッサンが、通訳のオッサンと一緒にタリバンのオッサンたちから逃げる話。

出演者の9割がヒゲのオッサンという、ヒゲのオッサン好きには堪らない作品。

米軍のオッサンを演じるのはジェイク・ギレンホール。通訳のオッサンを演じるのがダール・サリム。

アメリカ永住ビザを得るために頑張る、この通訳のオッサンが偉大すぎる。

「子連れ狼」よろしくジェイク・ギレンホールを荷車に乗せて、テロリストだらけのアフガニスタンの大地を100kmも移動。追ってきたテロリスト連中は、ほぼノーダメージで殲滅させる……って、前職は戦艦のコックか何かですか? 通訳やってる場合じゃなくね? ランボーとかと一緒に、さっさと最前線に送り出したほうが良くね?

と、通訳のオッサンが一騎当千の活躍をしている間、ジェイク・ギレンホールは何をやってるかというと……。

寝てるだけ。

俺が通訳のオッサンなら

「てめー! 起きろよ!」
「サボってんじゃねーよ!」

と、深夜コンビニバイトの先輩のようにブチ切れるのだが、通訳のオッサンいい人すぎる。こんな通訳のオッサンが付いてくれるんだったら、俺もジェイク・ギレンホール役のバイトしたいくらい。

さすがにこれだけで映画終わったら

「これ、『ジェーン・ドウの解剖』の死体と同じ、ギャラ泥棒じゃね?」

と、ブチ切れるところだが、ちゃんと後半ではジェイク・ギレンホールも活躍してくれて一安心。

ただ、前半のジェイクは、ラリってばっかりでなくて

「ちゃーん」

くらい呟いてくれてもバチは当たらなかったと思う。

監督はガイ・リッチー。ただ、ガイ・リッチーっぽいスタイリッシュな映像とか、二転三転するストーリーとかは無いので、最後エンドロール読むまでガイ・リッチー作品だと気付かなかった。

しかしガイ・リッチー、最近、「そろそろ死ぬんじゃね?」と、心配になるくらい矢継ぎ早に作品をリリースしてるよね。どれも面白いので映画ファンとしては良いことなんだけど。

前作「オペレーション・フォーチューン」が、ハゲ(ジェイソン・ステイサム)がフサ(ジェイソン・ステイサム以外)を無双する作品だったので、今回はヒゲがヒゲを無双する作品を制作して、バランスを取った、ということなんじゃないだろうか……って俺は何を言ってるんだ。

戦争映画と思わせて良作なバディ映画でした。

(おしまい)
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