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コヴェナント/約束の救出のmaroのレビュー・感想・評価

コヴェナント/約束の救出(2023年製作の映画)
4.0
2024年日本公開映画で面白かった順位:12/30
  ストーリー:★★★★★
 キャラクター:★★★★★
     映像:★★★☆☆
     音楽:★★★☆☆
映画館で観たい:★★★★★

ガイ・リッチー監督初の戦争映画ということでけっこう期待値は高かったんだけど、それを超える面白さがこの作品にはあった。
アフガニスタンの戦争におけるアフガン人通訳がここまで命懸けだったとは。。。

もともとガイ・リッチー監督の映画はけっこう好きなんだけど、今回の映画は過去作とはだいぶ異なる作風だった。
初めての戦争映画っていうこともあると思うんだけど、ドキュメンタリー映画から着想を得たからなのか、かなりリアリティのあるヒューマンドラマに仕上がっていたから。

この映画、個人的には2つの点に見ごたえを感じた。
まず1つ目は、アフガン人通訳の命懸けの仕事っぷり。
通訳というとそこまで危険なイメージはないように思えるけど、ここは戦地だからね。
アメリカ兵に付いてまわるので、常に命を落とす危険がある。
しかも、アーメッドに至っては同じアフガン人から「裏切り者」とみなされ、肩身の狭い思いもしている。
そりゃ敵対するアメリカ側に雇われてるんだから、面白くないと感じる人も少なくないよ。
だから、たとて通訳とはいえ、タリバン兵とドンパチやるし、いつ死んでもおかしくない状況の中に身を置いているわけだ。

2つ目はアーメッドを助けるために再びキンリーがアフガニスタンに戻るところ。
アーメッドの報酬は、ビザを発行してもらい、アメリカへ移住すること。
作戦中に負傷したキンリーを運びながら100kmもの距離を歩いて米軍基地に戻り、一躍英雄となったアーメッドだけど、タリバンからしたらみすみす敵を逃したことに激怒しており、アーメッドを目の敵にしているため、彼は身を隠さざるを得なくなってしまう。

その状況を打破しようと、キンリーはビザ発行手続きを上官に依頼すると同時に、自身がもう一度アフガニスタンに行ってアーメッドを直接探すことに。
タリバンが血眼になってキンリーとアーメッドを探している中、再びアフガニスタンに行くことは自殺行為中の自殺行為だ。
でも、今こうして生きていられるのはアーメッドのおかげなわけだし、彼への恩に報いるため、キンリーのアフガニスタンに戻る決意は揺るがなかった。
義理堅いにもほどがあるだろって。

そんなわけで、1人の通訳と1人の兵士が物語の前後半でお互いを救出し合う、スリリングながらも感動的なヒューマンドラマだった。
僕は報道やフィクションでしか戦地の様子を窺い知ることはできないけれど、こういうことが現実にあったというのがわかる有意義な映画なのでオススメしたい。
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