東京国際映画祭より。
1880年のチリ・チロエ島。ドイツ人入植者に父親を殺害された13歳の先住民の少女が、村の祈祷師に助けを求めるが、ある理由により迫害、監禁される中、少女は報復へと動き出すお話。
派手さは全くなく、主人公の少女が急に呪術を使えるようになったり、報復を完遂させるようなエンターテインメントな展開もないことに、実際の歴史を背景としたリアリティは感じることはできましたが、その過程をみせるだけの物語としては中途半端に感じました。
犬をある者に見せかける演出は良かったですし、キリスト教に対する穢れとしての役割でもあり、存在として意味を感じます。
キリスト教自体はスペインからもたらされたものだと思いますが、先住民的な思想とキリスト教徒ととの狭間、呪術を体現していくプロセスを丁寧に描かれていて、そこに今作の良さを見出せるか、地味であることを退屈と感じるかは難しいところでした。