ばん

アナログのばんのネタバレレビュー・内容・結末

アナログ(2023年製作の映画)
3.8

このレビューはネタバレを含みます

3連休は朝から晩まで洗濯して、衣替えをして、草むしりと夏の間たくさん実って野菜高騰の中、買わずにすんだなすやピーマンの苗を片付けたりして頑張ったご褒美に見に行った一作。

おばちゃんのあたしが若い頃、渋谷で待ち合わせしても、東口なのか、ハチ公前なのかで勘違いしていて、会えないなんてことはざらにあった。ポケベルすらなかった若い頃。

今はスマホがあれば、ちゃんと約束しなくても会えるし、知らない場所にも簡単にたどり着ける。出会いは偶然じゃなくマッチングアプリの方が効率的。コスパ、タイパを追求した果てには何がある?

そんなデジタルな世の中なので、ベタなラブストーリーだけど、穏やかでほっこりして、クソ暑かった長い夏の疲れが一気に出て、なんとなくビミョーな体調の3連休には心に優しい映画だった。

木曜日にピアノという主人公悟が設計した喫茶店で会うみゆきと悟。そこから恋が芽生え、プロポーズしようとなったけれど、その日には彼女は、来なかった。

なぜなら来る途中、乗車したタクシーで事故にあい、重体。下半身不随と脳障害で話すことができなくなってしまったから。みゆきには過去があり、かつてはバイオリニストとして海外で演奏し、結婚もしていた。夫をなくし、帰国。失意の中で過ごしている中、ピアノという名前の喫茶店を見つけ、入ってみるととても落ち着く店で、そこに行くうちに、設計した悟と出会うことになったのだ。

みゆきを忘れてほしいとみはるの姉に諭されるも、毎日少しの時間でもよいから会わせてほしいといって、仕事もやめ、みはるの家のそばに暮らし、毎日車椅子に乗った無表情のみゆきと砂浜を散歩する悟。そして1年後…。

悟の幼なじみの男子2名を桐谷健太と浜野謙太がわちゃわちゃ掛け合うのがよかった。こういう友達が40くらいになってもいるっていいよなぁと思った。

大切なもの、尊いものは、効率的に手に入ればそれはそれに越したことはないかもだけど、大切なものや尊いものは、それらを得る過程がなにげないものを大切なもの、尊いものにしていくから、効率的には手に入れらんないのかもね。結果より過程なんだわたぶん。

とかなんとか考えながら、数秒居眠りしつつもあくび以外の涙もしっかり流して心のデトックスをしたレイトショー。
ばん

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