このレビューはネタバレを含みます
食べるという字は、「人」を「良」くすると書く。
白飯、塩辛、採れたての夏野菜、味噌汁。シンプルだけど無茶苦茶美味しそうだった。
食べることは生きることの大原則で、誰かと美味しく食べることはよく生きることに繋がる。そして、生きることと死ぬことは断絶されたものではなく、川を挟んであっちとこっちは一続き。死を思うことは逆説的に生きることに繋がる。
ちょいと哲学的だったり、スピリチュアルな感じが人によっては好き嫌いがわかれるかも。
寡黙で孤独な松ケンの山田と図々しいムロツヨシの島田、不思議な大家の満島ひかりの南さんほか豪華なキャストで笑いと涙の2ムコリッタ(約2時間)。いろんなことに疲れた人には沁みる一作品。
一番好きだったのは、無駄口を叩かず淡々とイカをさばき、新人山田を静かに見守る塩辛工場のベテラン従業員の中島さん=江口のりこ。いつもながらふつーの人の演技が自然すぎて素晴らしい。